デール先生がかつて師事し、長くアシスタントを務めていたエリック・フリードマン氏は、ご存知の方々もいるかもしれませんが、あのハイフェッツの弟子の一人です。マスター・クラスでの映像は有名ですね。

http://www.youtube.com/watch?v=Any2tuVFp3w

あるインタビューでフリードマン氏はこんなことを話していました。「ハイフェッツに習った事、それはヴァイオリン演奏に対する、絶対的に正直なアプローチ」ハイフェッツの存在を他の追随を許さない絶対的なものにしているものは、まさにこの言葉に込められているのだと思います。

そのうえで具体的な良い演奏への指標となるもの、例えばヴァイオリン演奏は「歌」でなければならないこと、ビブラートは音楽を作る道具ではなくボーイングを助けるもので、ボーイングこそが音楽を作る道具でなければならないこと、はじめにリズムありき・・・等、がハイフェッツ→フリードマン→シュタッケンブルック先生へと伝えられました。現代においては非常に稀な、自分自身やヴァイオリン演奏に対して常に、「絶対的に正直なアプローチ」を貫いているデール先生に出会えたことは、僕の音楽人生においてとても意味のある、非常に幸運な出来事であったと思います。

上記のそれぞれの指標についてもいずれまた。