20年振りにイタリアを旅行しました。ここ最近は主にニューヨーク、メキシコ、東京のトライアングルの中でグルグルうごいていましたが、久しぶりにその”枠”から自分の意識が解放されたのを感じます。昔もそうでしたが、この国の文化に直接触れる時、僕の身体がその細胞から興奮させられるのを感じます。ミラノの街、「最後の晩餐」、クレモナに残る過去の名匠の遺産。そしてヴェローナのアリーナでの野外オペラ…。本当に記憶にないくらい久しぶりに、演奏そのものの”内容”などには微塵も思いは及ばず、ただただ全身で音楽を感じそれを楽しみました。

古いものを慈しみ、誇りに思い、それを楽しみながら共に生きる。この国の人々の何気ない日々の生活そのものが、音楽、歌、オペラにつながっているように感じました。