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 Hisaichi Shimura

~ Violinist

 Hisaichi Shimura

月別アーカイブ: 11月 2013

「良い姿勢」と「リラックス」①

23 土曜日 11月 2013

Posted by vnshimura in Uncategorized

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あらゆる楽器演奏、スポーツ、武道、職人の技など、身体を使う技術を学ぶときに必ず皆さんが考える事、それは多かれ少なかれ「良い姿勢」と「リラックス」だと思います。初めて「道具」を持つ時はもちろん、 自分のスキルのレベルをあげたい時、大事なパフォーマンスをしなければならない時、身体の動きから来る痛みや違和感があって悩んだ時・・・人は必ずこれらについて考えると思います。

え?そんな事は考えたことも無い?そんな事考えずに千回同じ動作を繰り返せば何でも出来るようになる?何をするにも痛みはつきもの、そうなったら病院にいけばいい?・・・なるほど。そんな人達のためのお話も、また追々していきたいと思います。

一見この「良い姿勢」も「リラックス」も、害のないとっても良い言葉に聞こえますし、これさえ言っておけば指導として間違いは無い、と思っている人も多いかと思います。しかし実はこれらの言葉、使いようによっては効果がないばかりか、とても問題があると僕は思っているのです。

人は、同じ言葉を使えば他人も全く同じことを想像するだろう、と思いがちですが実際はそうでもありません。誰でも自分の持っている固有な言葉のイメージに、いつの間にか影響を受けてしまうものです。 皆さんの思い浮かべる「良い姿勢」って何でしょうか?「リラックス」とはどういう状態の事でしょうか?

(つづく)

 

デール・シュタッケンブルック②

14 木曜日 11月 2013

Posted by vnshimura in Uncategorized

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デール先生がかつて師事し、長くアシスタントを務めていたエリック・フリードマン氏は、ご存知の方々もいるかもしれませんが、あのハイフェッツの弟子の一人です。マスター・クラスでの映像は有名ですね。

http://www.youtube.com/watch?v=Any2tuVFp3w

あるインタビューでフリードマン氏はこんなことを話していました。「ハイフェッツに習った事、それはヴァイオリン演奏に対する、絶対的に正直なアプローチ」ハイフェッツの存在を他の追随を許さない絶対的なものにしているものは、まさにこの言葉に込められているのだと思います。

そのうえで具体的な良い演奏への指標となるもの、例えばヴァイオリン演奏は「歌」でなければならないこと、ビブラートは音楽を作る道具ではなくボーイングを助けるもので、ボーイングこそが音楽を作る道具でなければならないこと、はじめにリズムありき・・・等、がハイフェッツ→フリードマン→シュタッケンブルック先生へと伝えられました。現代においては非常に稀な、自分自身やヴァイオリン演奏に対して常に、「絶対的に正直なアプローチ」を貫いているデール先生に出会えたことは、僕の音楽人生においてとても意味のある、非常に幸運な出来事であったと思います。

上記のそれぞれの指標についてもいずれまた。

デール・シュタッケンブルック①

10 日曜日 11月 2013

Posted by vnshimura in Uncategorized

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日本の音楽雑誌「サラサーテ」最新号(55号)で、僕の師匠の一人であるデール・シュタッケンブルック氏が紹介されました。デール先生は、かつて存在したより自然なヴァイオリン奏法、音楽、フレーズの表現方法、そして倍音を含めた自然で色彩豊かな音の世界への扉を僕に開いてくれました。また常に自分自身が変化していくことへの勇気、その素晴らしさや喜びを僕に教えてくれた、真の芸術家です。

初めてC.W.Post (最近LIU Postに名称変更) Chamber Music Festivalでデール先生のマスター・クラスに参加した時、彼の演奏する音、音楽や楽器に対するアプローチ、身体の使い方等、全てがこれまで直接見て学んで来た事とは大きく異なり、まるで未知の世界を見る思いでした。それがなんであるか、はじめ理解は出来きませんでした。それでもなぜか、この人は何か本物を知っている、楽器演奏や音楽にたいして、また自身を含めた「人間」に対して正直な音楽家だ、という不思議な確信だけはありました。彼の発する音は、いわゆる“おおきい”(耳元でうるさい!)音ではなく、それでいて遠くからでも常に通って来て、又同時に空間を包んでいるようでもあり、そしてとても色彩豊かなものでした。また余計なものが動作や音楽そのものになく、核心だけを的確に射抜いている武道の達人のようにも見えました。 (つづく)

やっと、初めまして!

09 土曜日 11月 2013

Posted by vnshimura in Uncategorized

≈ 1件のコメント

ニューヨーク在住のヴァイオリニスト、志村寿一(しむら ひさいち)です。
主にニューヨークを中心にアメリカと日本、時々メキシコなどでも活動しています。
どうぞよろしくお願いいたします。

少し前にホームページを開設してブログを始めようと思っていたのですが、
なかなか思いが文章にまとまらないまま今に至ってしまいました。ずっと書きたかった事というのは 、例えば僕のライフワークである楽器演奏の際の身体(本当はセルフと言いたいのですが、それはまた追々)の使い方について、昔と現代のヴァイオリン奏法や人々が求める音の違い(特に倍音について)楽器の調整と奏法との関係について、自分がこれまでどのように人から教わり、人に教えまた自ら学んできたか、そして今も常に変化しつづけていることについて・・・などなど、あまりに書きたいことが溢れかえってしまい、さてどこから手をつけて良いのやらと思案に暮れていました。

そんな時、日本からある楽器職人さんが NYを訪ねて来て、いつもお世話になっているNYの楽器職人さんと3人で、これらのトピックを中心にじっくり話すという機会がありました。お二人は長年の先輩後輩の間柄ですが、僕がそれぞれにお会いしたのは実はごく最近。それにも関わらず話は大変盛り上がり、意気投合し、とても有意義で楽しい時間を過ごしました 。今回の何よりの収穫は、楽器職人と演奏家それぞれの立場からお互いに影響を与え合い、 本当に良い音や音楽のために一緒に成長していけるのだということ。またそうしなければならないし、それができる仲間も増やしていかなければならない、という事を確認できたことです。

長い時間をかけて模索を続け、多くの失敗を重ね、様々な刺激を受け、過渡期を経験し、3人それぞれが「今」出会った事により、ようやく目指していくべき、ある方向性が見えて来たように思います。もしもっと前に会っていたとしても、これほどまでに意気投合することはなかったかもしれません。改めて人間というものは、各々が抱える命題にとりくみながら少しずつでも成長を続けていれば、必要なときに必要な人にちゃんと出会えるのだということを、今しみじみと感じています。

今回のこの得難い経験が、ブログという言葉による表現活動になかなか踏み出せなかった、僕の背中を押してくれたように思います。3人が意気投合したというそれらのトピックについては、追々ご紹介していければと考えています。少し前の事ですが、日本の音楽雑誌「サラサーテ」52号107ページで、先のNYの職人さんが紹介されました。「昔の巨匠の音には個性があった」というようなことが書かれており、これが少しだけヒントになるかもしれません。ご興味のある方は是非ご覧になってみてください。

次回は、上記のトピックなどについて、僕がより興味を持って取り組んでいくきっかけとなった重要な人物で、大切な師の一人である、デール・シュタッケンブルック氏について書きたいと思っています。

それでは今後ともよろしくお願いいたします。

志村寿一

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