下関チェンバー・アンサンブル
25 Thursday Sep 2014
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この夏、福島にてイリス・カルテット (1st Vn. 植村薫、2nd Vn. 大谷美佐子、Viola. 後藤悠仁、Cello. 伊堂寺聡)の皆様と演奏させて頂きました。
初めてお会いしたのは演奏当日の朝!でも打ち合わせ、リハと進む頃にはお互いすっかり馴染んでしまい、本番、打ち上げの頃にはもうすっかり”マブダチ”になってしまいました!
確固たる技術、素晴らしい音楽性、長年培った阿吽の呼吸のアンサンブル・・・それらは言うに及びませんが、とにかく”人間”が素晴らしい。やはり音楽にはそれが鮮明に出るのだと、改めて感じました。
19 Friday Sep 2014
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in受講生はそれぞれ専門楽器のレッスンを複数回受ける他に、僕とのレッスンが基本に一回ずつ。さらに希望があれば僕の時間が有る限り追加レッスンも可。他の楽器奏者のレッスンでも受講者本人が了承すれば誰でも見学自由、というユニークなシステムでした。センスの良い人は誰の何の楽器のレッスンからでも、何か自分に通づるものを感じ取り、自分の奏法やレッスンにどんどん生かしているようでした。
それぞれの楽器特有の技術に関しては勿論僕は素人ですが、各々が先生方から「こういうことが出来なければならない」という課題をもらい、それをどう練習し実現していくのがより自然なのか、効率的なのか、音楽的なのか・・・などについて、身体の使い方(そして当然音楽的な視点からも。それぞれ切り離せないもの、というのが大事なところなのですが・・・)を通した視点で僕なりにアドヴァイスさせていただきました。幸いなことに生徒さん達にも、またそれぞれの専門の講師の皆様にも快くご理解ご協力して頂いたおかげで、たいへん有意義なものになったように思います。
殆どの生徒さんが身体の使い方を変えることにより、肉体的に”楽になる”ことを期待してレッスンにいらっしゃいます。当然それも大事な課題であり、極度の肉体疲労や痛みにたいする問題意識が低すぎるのは、現代のどこの音楽界でも見られる根本的な大問題です。しかし、レッスンでの生徒さんとのコミュニケーションやお互いの理解がよりうまく行った時には、更に目に見えて(耳に聞こえて)変化が現れます。肉体が楽になることに加えて、一瞬にして音そのものにそれに僕の視点から見れば音楽的にも変化が現れるのです。
これには楽器別による例外はなく、たとえパーカッションでも、クラリネットでも、チェロでも、より”全身”で演奏できれば出来るほど”より良い”振動、響き(音)、リズム、コーディネーション、フレージングを得られる可能性が高まるのです。その人の身体つまり個性なりに、です。パーカッション奏者の膝と股関節の関係。クラリネット奏者の腕と息の関係。チェロ奏者の腕の”始まり”の再認識。ヴァイオリン奏者の頭と顎の関係。頭、首、背中と骨盤の関係。そしてここにあげた全ての”関係”や”再認識”は、全ての人たちに関係が有るのです。
これらを学び知識として知るまででも大変なことなのですが、皆さん話を聞いているだけなら”そんなに良いのなら、知ってしまえばみんな天才じゃん?”と思うかもしれません。しかし何かを(再び)学び身につけ成長する、つまり自分を変えていくということはそう単純なことでもないのです。テレビ・ショッピングのようにはいきません。
(つづく)
15 Monday Sep 2014
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in今年も軽井沢国際音楽祭に参加させて頂きました。今回はいつもと違い演奏会だけでなく講習会の方でもお世話になりました。ヴァイオリンの講師陣には日本でも有名な方々が名を連ねていらっしゃるのに、なぜ僕のような無名の者が呼んでいただけたのか。
それは音楽監督である横川晴児先生(元NHK交響楽団主席クラリネット奏者)の勇気ある決断があってのことだったのです。
先生は、良い音楽家になりたければ”専門技術”のみにとらわれているのではダメで、身体や心理、自己プロデュースなどについても学ばなければならない、と常日頃おっしゃっています。そんな様々な視点からの学びが実現できる場を、いつか軽井沢国際音楽祭の講習会で実現したいと常々考えられていたそうです。その目標を達成するための一つの実験材料として、僕に貴重なチャンスを与えてくださったのです。
このブログでも書いているとおり”身体と音楽との調和”というテーマが僕のライフ・ワークであり、最近になってこういった話に興味を持ってくださる音楽家の方々や音楽愛好家の方々が、日本でも少しづつ増えて来ています。大変ありがたいし嬉しいことです。しかし、まだまだ”いったい何のこっちゃ?””身体云々より、あまり考え過ぎずに、まぁとりあえず弾きこみましょう”という人が大多数だと思います。
今回、先生の直感により(というより一種の賭けかもしれませんが)ヴァイオリンだけでなく、チェロ、クラリネット、はたまたパーカッションにいたるまで、全ての楽器の生徒さんたちに僕との”身体と音楽との調和”のレッスンを体験してもらおうという、とっても珍しく画期的(・・・だといいのですが)な試みが行われたのです。自分個人の経験では既に歌手を含めた他の楽器の人たちとも何度もレッスンしてきましたが、こういった大きな講習会で”異種格闘技戦”のようなことをするのは初めての経験でした。
(つづく)
12 Friday Sep 2014
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inだいぶご無沙汰してしまいました。
この夏はCD”Estampa”に始まり終わった夏であった、と言っても過言ではありません。もちろん軽井沢音楽祭での講習会の事、福島や下関でのコンサートなどなど、他にも沢山の重要な出来事がありましたが、それについては後々書いていきますね。
僕にとってはこのCD制作プロセスの全てが始めての経験でしたが、とても興味深く得るものの多い貴重な体験でした。そのため一方で多くの”常識”を知らなかったため手続き等に時間がかかり、沢山あった日本でのコンサートの殆どに間に合わず、最後のコンサートの朝にやっとCDが到着するという、バタバタ、 モンモン、ヒヤヒヤの一ヶ月半でした。というのも、例えばここに集めた曲目は20世紀ラテン・アメリカの作曲家たちによるヴァイオリンとピアノのための小品ばかりで、曲数も多くそれぞれの著作権がどこに依存しているかを調べるだけでも一苦労だったのです。
録音の現場での実際の演奏に関する演奏家同士のやりとりは勿論、音響エンジニアとの音そのものに関するやりとりや意思決定は、自分の耳、音に対するセンス、音楽性、全てが試される、それ自体が音楽的なプロセスだと感じました。昔のSPレコード時代の音と現代のCDの音、そしてそれらに明らかに影響を受けないではいられない楽器の演奏方法に関することまで、深く考え研究することのできる良い機会となりました。そして良い録音を残すのにも沢山の経験と、良い耳を持った音響エンジニアや共演者との出会い、信頼関係などが必要不可欠なのだとも感じました。
多くの方々の御協力を得てやっと”音楽家らしいこと”の一つが出来ましたこと、大変感謝しています。演奏もプロデュース能力もまだまだですが、収録された作品たちはどれも作曲家によって素直に歌われた美しい音楽ばかりで、またあまり他に録音がないものばかりですので、これを機会にぜひみなさんに聞いていただければ幸いです。特にこのCDのタイトルにもなっているEstampaはまだ楽譜も出版されておらず、アルフレッド・ディエス・ニエト先生の手書きの楽譜を勉強するところから始まりました。そして以前ブログに書きましたが、先生の母国キューバで直接お会いしご指導いただけたことは、何にも代え難い素晴らしい体験でした。先生は現在96歳、まだまだ製作意欲は衰えず大変お元気です。
ただアルフレッド先生の弟であるヘルマン・ディエス先生(享年90歳)がこの夏7月の初めに天国へ旅立たれてしまい、完成したCDをお聞かせすることができなかったのは本当に残念なことでした。20世紀を代表するピアニストの一人であったクラウディオ・アラウ氏の最も信頼するアシスタントとして数多くの弟子を育て、真に”良い音楽、良いピアノ奏法の伝統”を知る、近年においては数少ない貴重なピアニストで指導者でした。今回CDで共演していただいたピアニストの森川実千代さんの師匠でもあります。長年ニューヨークにお住まいになり数々の音楽大学で教えられ、僕もここ数年同じ音楽学校で働かせて頂き、時々自分の演奏を聴いて頂いていました。今回収録した曲の演奏に対しても沢山の貴重なアドヴァイスやインスピレーションを頂きました。偉大な伝統に少しでも触れさせていただいた者の一人として、それらを次に伝えていかなければならない責任があると今感じています。